HOME > 神宮大麻について
伊勢神宮(正式には神宮)のお神札はどうして「大麻」というのですか
「大祓詞」:(お祓いの祝詞)を唱え、罪・けがれを祓う霊力がある神聖な大麻にて祓い、祈祷を修めた祓串であったことから御祓大麻と言われました。
日本国民の総氏神である天照大御神様をまつっている伊勢の神宮のお神札は、明治以前は御師といわれる神職によって全国各地の家々に配布されていました。
御師は崇敬者(檀那:だんな)のために御祈願を込めたしるしとして、祓串を納めた箱あるいは小さな祓串を剣先形に紙で包んだ物も配布していました。その小さな祓串は「大祓詞」:(お祓いの祝詞)を唱え、罪・けがれを祓う霊力がある神聖な大麻にて祓い、祈祷を修めた祓串であったことから御祓大麻、俗にお祓いさんと言われました。
明治の御代になって、御師による配布は廃止され、御祓大麻は神宮大麻と名称が改まり、明治天皇の聖旨により政府事業として全国全戸に漏れなく配布されるようになりました。
戦後は、全国神社を包括する神社本庁が神宮の委託を受け、都道府県神社庁を経由して各神社を通し、今日約九百万の家庭に配布されております。
神社大麻を家庭にまつることにより、家の内が祓い清められ、拝むことによりその心は大御神の御許に届き、広大無辺のご神徳を得ることができるのです。
神宮大麻はどの神社でいただいても同じなの?
はい、同じものです。
神宮大麻は、その用材から奉製に至るまで、一貫して神宮の中で取り扱いがなされています。用材は、神宮の山から伐り出し、奉製するのは、専門の方です。各地の神社に届くまでの間には、節目ごとに神宮の神職によるお祓いが行われています。
このように奉製された神宮大麻ですから、全国どの神社でも同じものを受けることができるのです。
お神札は一度いただければいいの?
お神札は毎年取り換えて、新しい年を迎えてください。
新年を迎えて、気持ちが新たになるように、お神札を新しくすることは、神さまが新たな「みちから」で私たちをお守りくださるということなのです。
前の年におまつりしていたお神札は、感謝の気持ちを込めて神社へお納めください。
なぜ、「神宮大麻」を祀るのでしょうか?
神宮大麻は、日本人が心のよりどころとして最も崇め慕われているお宮のお神札だからです。
古くから私たち日本人の祖先は天照大御神様を日の神として仰ぎ、自然の恵みに感謝して参りました。天照大御神様は、太陽の光のように、温かい恵みを全ての人々に与えて下さる尊い神様なのです。また、伊勢の神宮の御祭神にして皇室の御祖神であります。
それぞれの地域にすむものとして「氏神さまのお神札」を、日本国民として「神宮大麻」を共におまつりし、家族そろって日々感謝の祈りを捧げましょう。
喪中にお神札を受けてもいいのですか。
五十日を過ぎてから新たな気持ちで受けましょう
家族が亡くなると故人の弔いに専念することから、忌中の期間は神棚に白紙を張るなどして、家庭でのおまつりは遠慮します。
おまつりの再開は、地域による違いはありますが、一般的には最大で五十日(仏教でいう四十九日)でしょう。忌中の場合には、忌が明けてからお神札を受けます。
神棚の祀り方について教えてください。崇敬神社(他の神社)のお神札がある場合はどのようにおまつりするのでしょうか?また、薄紙は外してもよいのですか?
神棚は明るく清らかな処で、息のかからない、目の高さにより上の位置におまつりします。お神札は南か東に向くのが一般的ですが、家の間取りによってはおまつりするのにふさわしい場所であればよいでしょう。
神棚の中央に「神宮大麻」をおまつりし、神棚に向かって右側に「氏神さま」のお神札を、向かって左側に「崇敬神社」(他の神社)のお神札をおまつりします。
重ねておまつりする場合には、手前に「神宮大麻」二番目に「氏神さま」を三番目に「崇敬神社(他の神社)のお神札をおまつりします。神棚はお神札をおまつりする処ですのでお神札をいただき何枚でもおまつりください。
「神宮大麻」を包んでいる「薄紙」は本来、お神札本体を保護するための覆いですので、外してからおまつりしてください。
直接神聖なお神札に触れてはいけないという敬慕な気持ちがそこに働くからです。
このような気持ちを持ってお神札の取扱いをされることはとても大切なことです
うちには神棚がないけれど、お神札を受けて大丈夫でしょうか?
出来ることから始めていきましょう
賃貸住宅など、神棚を据え付けることが難しい場合は、タンスの上などを整えておまつりしましょう。
小型の神棚や神札立て、また、最近では洋風のインテリアに調和するデザインの神棚もあります。ライフスタイルに合った方法で、おまつりして清々しい毎日を過ごし家庭のしあわせを祈りましょう。
神宮大麻は大きいほうがいいの?
そんなことはありません。
神宮大麻の大きさには三種類ありますが、納める神棚やおまつりするスペースに合わせてお選びください。
なぜ、お神札を(一年に一度)取り替えるのでしょうか?
新年を迎えるにあたり、新しいお神札をおまつりし、より一層の御神徳を戴く為です。
昔から、新年を迎えるごとに氏神さまから新しくお神札を受け、新しき年の繁栄を幸福を祈ってきました。
真新しい神宮大麻と氏神さまのお神札を神棚におまつりして、新たな息吹を戴き、清々しく素晴らしい心で新年を迎えましょう。
また、古いお神札やお守りは、今年一年を無事に過ごせたことに感謝し、神社に納めましょう。
お神札の数え方はどう数えるのですか?
お神札は一体、二体と数えます。
初穂料はどうされるの?
神宮大麻には大大麻・中大麻・大麻とあり、初穂料は異なりますが、神宮のお祭りはもとより、殿社等施設の維持管理のために充てられます。また、式年遷宮の造営にも充てられます。
式年遷宮とは、二十年に一度御正殿を始め、諸殿舎、御装束、御神宝に至るまで全てを新しく造り替え、大御神さまに新しい御殿にお遷りいただく神宮最大最高の祭儀の事です。第六十三回式年遷宮は、平成四十五年秋に執り行われます。
氏神と崇敬神社について教えてください。
「氏神様」とは自らの住む土地をお守りくださる神様のことです。
「崇敬神社」とは地縁や血縁的な関係以外で、個人の特別な信仰等により崇敬される神社のことです。
全国の神社については、皇祖天照大御神様をおまつりする伊勢の神宮を別格の存在として、このほかを氏神神社と崇敬神社の二つに大きく分けることができます。
氏神神社とは、自らが居住する地域の氏神様をおまつりする神社であり、この神社の鎮座する周辺の一定地域に居住する方を氏子と称します。
元来は、文字通り氏姓を同じくする氏族の間で、自らの祖神(親神)や、氏族に縁の深い神様を氏神と称してまつったことに由来し、この血縁的集団を氏子と呼んでいました。現在のような地縁的な関係を指しては、産土神と産子という呼称がありますが、地縁的関係についても、次第に氏神・氏子という呼び方が、混同して用いられるようになりました。
これに対して崇敬神社とは、こうした地縁や血縁的な関係以外で、個人の特別な信仰等により崇敬される神社をいい、こうした神社を信仰する方を崇敬者と呼びます。神社によっては、由緒や地勢的な問題などにより氏子を持たない場合もあり、このため、こうした神社では、神社の維持や教化活動のため、崇敬会などといった組織が設けられています。
氏神神社と崇敬神社の違いとは、以上のようなことであり、一人の方が両者を共に信仰(崇敬)しても差し支えないわけです。
何故、年ごとにお神札をおまつりするのですか?
日本人は一年ごとに新しい命の活力をいただいてきました
「一年の計は元旦にあり」と言うように、元旦は一年の中で最も特別な日です。年神さまを家に迎えるために、大掃除や松飾などの準備をするように、神宮大麻をはじめ神棚に納めるお神札を新たに受けて新年を迎え神さまのご加護をいただくとともに、一年の無事を祈りましょう。
玄関が二つある二世帯住宅の家庭では、お神札は一体でよいのですか?
日々の食事・団欒等生活の行動が一緒の場合には、お神札は一体でかまいませんが、生活行動が別々の場合には、お神札も別々におまつりします。しかし、我が国では古来より一つ屋根の下に二世代・三世代の家族が各々助け合い、楽しく生活することを理解としております。
借家アパートの場合はどうしますか?
借家、アパートの場合は、一戸が独立した家屋とみなしますので、それぞれにおまつりください。
上の階が気になる時は、神棚の上の天井に「雲」「天」「空」などと墨書きして貼ります。これを貼ることにより、一階と二階との間に空間が生じるとの説に由来しております。
引っ越しをする場合には?
これから引っ越しをする場合には、転居先の神社で氏神さまのお神札と共に神宮大麻をお受け下さい。
遠方の子どもにも受けさせたいが、郵送してもいいですか?
郵送してもかまいません
お神札が折れたり、汚れたりしないように、厚紙や和紙などに包んでお送りしてください。封筒にご神符在中・取扱い注意等書き入れるとよいでしょう。
今まで町内会の回覧板に神宮大麻や御神札の注文を回覧して取り纏めをしたり、地区の役員が各家庭を訪問して神宮大麻や氏神神符の頒布をお願いしていましたが、昨今地区内の一部の住人から町内会やその役員が神宮や神社の御神札を配布することは宗教活動にあたり政教分離に反するのでやめるべきだと言われました。また、町内会の集会所や掲示板に神社のポスターやお祭りの案内なども貼ってはいけないと言われましたが本当に政教分離違反なのでしょうか?
町内会の運営は、法人化している町内会は法人規則、その他の町内会も団体ごとに定められた規約に規定され、民主的なルールに則り団体構成員たる住民の過半数の賛同を得れば、町内会の活動として神社をはじめとする宗教的行為を行う事に問題は無く、町内会の所有建物である集会所にポスター等を掲示する事にも何ら法律上の問題はありません。
町内会(地域により自治会や隣組とも称する組織、以下「町内会」と表記)の回覧板や役員の方に協力いただいて御神札の頒布をしている神社が県内では多数を占めており、皆様の地域でもこのように地域と一体となって頒布することに異議を唱える方がおられるかもしれません。
戦前の町内会は、市町村などの行政機関の補助機関とするために内務省訓令によって全国各地域に組織されたもので、神宮大麻や氏神神符の頒布もこれら町内会を通じて各家庭に頒布しておりましたが、戦後、占領軍の指令によって戦前の行政機関の一部とされた町内会の全ては解散されております。
現在、地域にある町内会は戦前の町内会と性格を異にし、制度的にも断絶した自主的団体として結成されております。
地方自治法第二六〇条の二第六項に「当該認可を受けた地縁による団体を、公共団体その他の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈してはならない。」とわざわざ記載されておるのも、市町村長にて法人格取得の承認することを以て市町村行政の下請団体となったような疑念を挟ませない為であり、明確に行政組織とは関わりの無い事が明記されております。
このように町内会の運営は、法人化している町内会は法人規則、その他の町内会も団体ごとに定められた規約に規定され、民主的なルールに則り団体構成員たる住民の過半数の賛同を得れば、町内会の活動として神社をはじめとする宗教的行為を行う事に問題は無く、町内会の所有建物である集会所にポスター等を掲示する事にも何ら法律上の問題は無いのであります。
如何に地域全体に向けて結束を図るか、現代社会においてはとても難しい事ではありますが、そのために努力することこそが先人より託された私たちの大切な使命の一つであります。
神社と地域住民との関係が良好であればあるほど、神社への信仰も強まり神宮大麻の頒布や御祭礼もより盛大に一層向上するものでありますので、地域とのつながりを深めていただきますようお願い申し上げます。